『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
何らかの納得もされています。
ここに来てからあんま横になって寝てないかもなァ〜
「やっぱベッドが欲しかったな……」
「さすがに寝具くらい備えつけといてほしいよなァ」
椅子と机より大事じゃない?
お医者さまが声もかけぬほど急いでいたのには感心します。
軽く清掃をして、次に来ても使いやすいようにシャワーへの道は整えておきましょう。
「…………」
木枯先生のことを見ながら何かを思い出している。
どうりで。
「そういえば、お父様が……」
「ずっと敷布団で寝てたのに、突然ベッド買ってたな……」
次に身内の世知辛さを思い浮かべる。大変だ。
『カビは……焼いてもカビかも……』
食べない方がいいらしい。
『あ、ほんと? よかった』
『枕ほしそうだったものね』
役に立ってよかった~。
角、見るからに重そうだもの。
「カビって焼けば……」
焼いても食べない方がよろしい。
「切った絨毯のおかげで前よりはまともに横になれましたね。
俺、枕の高さが無いと仰向けに寝られないんで……」
横向きに寝ても重みで首が変な角度になる。
全部角のせい。
そのまま、白衣を水で思い切り濡らしたらしい、まだらに濡れて、濡れたところからは雫が垂れている。
自分の服は汚いまま、また駆け戻って行った。
「私もお尻に敷く用として持ってました」
今は自室に置いているけど。
「誰かに汚される前にとっておく、だって」
「藍くんらしい考え方」
慌てて、女が駆け込んでくる。切迫した顔で。
嫌な臭いがするのかもしれない。服も、ズボンも汚れているかも。けれど、そんなのお構いなしにシャワールームへ走って行った。
自分の着ていた白衣を握りしめて。
「あいつそんなことしてたんだ……地べたに座って必死にギコギコしてたんだろな……おもろいな」
トゲガキが余裕そうじゃないと、嬉しい。