『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
『一緒に生きていけたら、嬉しいよね』
『こんな場所で、こんな状況で』
『こういうお話が出来るのが』
『すっごく嬉しい』
もちろん、ロビーでの騒ぎだって。
あちこちで起きる裏切りだって。
現実を忘れたわけじゃあないけれど。
いつか、傷つけあう時があっても。
今こうやって、お話してくれたことに変わりはないから。
この子供は、それで、よかった。それだけでよかった。
何を考えているのか、じゃなくて。
何をしてくれたか、が大事だったから。
「俺も逞しく…………」「…………」
「…………」
「なるべきだな……」
途中絶対に無理だろ、という葛藤が生まれつつ。
強度はあった方が良いよなあって。
「湿っぽい女も、否定はしませんけど」
王子様系に心からなりたいわけでもないし。
頼れる人には、まあ、なりたいかもな。
「皆が頼れるようになったら」
「補い合って生きていけるかもしれませんね」
「スパダリ……」
羽毛布団になるポテンシャルだけはあります。
「なるほど、今からでも呼ばれるように努めるのは悪くないでしょうね……」
>>14604
「…ありがとう、四季さん」
差し出された食料を、受け取って。
君のこともあまり分かっていないけれど。
他人想いで、優しいことを知っている。
だから、
「うん」
「死なないよ、そんなつもりない」
そう口にして。
もう一度、ありがとうと言った。
『ふふ。強くて素敵な人だよ、あなたは』
褒め言葉、言って喜んでもらえるなら嬉しかった。
思ったこと、そのまま言っただけだから。
『頼もしい、嬉しい。頑張る』
『ここでは無力なんだけど』
『出たらもっと精進します』
「スパファザになるか……」
スパファザっていうとなんか、金払い良いパパ活の客みたいだな…
まぁ遅くないらしいし、頑張っても良い。それなりに。
「王子様っていうにはなんかじめっとしてるだろォ~」
「もっと爽やかじゃないと……」
「皆様がすぱだりを目指してらっしゃる……頼れるお人であろうとするのは大変素晴らしい行動でございますね。頑張ってくださいませ。」
王子様系統に行く人もいるようです。
甲斐性のある存在なのでしょう、すぱだり。
「遅くないですよ、きっと」
想像の内部は分からないまま。
「男前……はじめて、言われました」
「なるほど、……それはちょっと、嬉しいかも」
言われ慣れてない褒め言葉って、
なんだか新鮮で、ちょっと嬉しい気がする。
『ご主人様が頭は良いのに生活力がダメダメなニートだから……』
使用人、逞しい仕様となっております。
肩幅がすっごくなっちゃったな~~! 想像の中で……。
『冥利に尽きちゃうな~!』
乗り換え、嬉しすぎるかも。
冗談に乗っかってくすくす笑った。
『王子様、かっこいい』
『けっこう、男前なお姉さんだものね』
『きっと、似合うと思う』
自分の意思がはっきりしていて。
美人さんなのだけれど、かっこいい印象があった。
「あなたがスパダリに育ったら」
「乗り換えちゃう可能性が出るな」
冗談全部。
「私は、責任を取らせる側だと思いますから……」
「女だから子どもだからとは言いませんけど、呼ぶ予定の人はね」
不運にとことん付き合ってもらおうなんて。そんな思い。
「逆に、私もなろうかな。王子様系路線」
『お世話、得意だよ』
『災害時のマニュアルもサバイバル知識もあるよ』
『頑張れます』
やれます。なおここでは出来ません。くっ……。
呼んだお友達は居てくれるだけでいいよ……をしてしまいます。
元々はお屋敷の管理を任されていた存在なので甲斐性はある方かも。
「えっかっこい………スパダリ……?」
不自由はさせない、甲斐性の塊すぎるだろ……
義理の息子は将来とんでもない大物になるかも……
『いっぱいごめんねをして』
『衣食住の不自由はさせないから許してって言う……』
他の不自由は絶対させるんだけども。
ネットとかないだろうし。
「おや……襲われでもしなければそれらに手を伸ばすことも容易だったのですけれど、まあ、仕方がないことでございますよね……」
毛布、あったんだなあ……
「ライターに、お友達でございますか。火はきっと重要でございますね。それにお友達も……独りより二人の方が、できることが多いでしょうから。」
どちらも良い案のように思えた。
『お世話がお仕事だから』
『木材と水と食料があれば』
『生活環境を整えられるのにな……』
ここには全部ないんですね……。
サバイバルに適応できてもここでは無理でした。
「そうですね、今無人島に行くなら」
「人を連れていくかも」
寂しいってわけじゃないが、
そうでなくては生のバイタリティが得られなさそうだ。