『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
『やだ~~~』
完成されたバトルロワイアルになりつつあるとしたら、
それってすごく嫌なことだ。
少なくとも、勝手に参加者にされている身からすれば、
たまったものではなくて。
「そうですね、殺し合わせる気がなくて、人が何かをしているのなら」
「資源はないのでみんなで分け合ってくださいと、ナイフなんて配給しないんですよ」
切るもの肉しかないんですから。
「ここにいる人間の安全を守りたいのであれば、
公開しない方が賢明な情報ではありますからね。
何らかの作為はあるかと……」
「……最初からキナ臭かったですが。
何らかの実験とかに使われてるんですかねぇ、俺たち」
「………………」
目を伏せる。
便利だな、と思うのは嫌な気持ちだな。
襲われない事は、初日にもう諦めたけれど。
襲ってきた相手に、得をさせたくないな。
そんな歪んだ気持ちがある。
「……見えているものと聞いているもの
それでしか判断しておりません」
「ですから……『犯人に見える方』が
そうなんでしょう」
「……隠されない限り見え続けますが、それも今日までかもしれませんね」
お友達のために刃物振る……うかもしれないけれど。
望まれていない雰囲気も読み取っている。
「………………」
存外自分は直情型だったんだなぁ。
こんな状況になって初めて自覚した。
「ああ。なら……」
ホ、とした。
「誰に余裕があって、誰に余裕がないか……ですか。
たくさん持っている方が襲われやすくなる、とかですかね」
「体力のような数字……は、アレか。バイタル測定の結果数値?」
何やら測られているらしいから、それかなって。
「探してませんよ〜」
「仇討ち敵討ち?なんて好きではないですし」
「死者を確認するモニターで資源の数が分かるようになりました」
「なにやら体力のような数字と交換するスイッチもあるようで」
「資源0の方が丸わかり。
奪われた量も、それなりに」
「…………」
やっぱり亡くなった方はいらっしゃるんだな。
本当に効くらしい薬も使いやすくなったという事で。
顔色はさっきよりは幾分かマシだ。
「え」「……探しに行ってたんです? そんな、いいのに」
『い、命が軽い』
良かったというべき……なのか……。
命半額。そんな~と言いたくなる響きだった。
複雑な顔になった後。
「………………」
固まった。犯人特定が早い。
ちょっと元気になっただろう。
暗い顔をしていても仕方がないから。
子供の姿だと大人の人も気にしてくれると知っているから、
ちょっとでも元気な素振りを見せたいものね。
「いいえ、一人でした、ああ二人かな」
「あとは不思議な蘇生薬とやらが半額に」
「ついでに」
「お『花屋』さんを襲った方の目星がつきました」