『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
>>9803 ラオヤ
「アハハハ……そっか。これ、終活ですね」
「はい。また」「お気をつけて」
そろそろ電気が消える時間も近い。
もう一度頭を下げて、その背中を見送るだろう。
>>9763
「終活の方が賢い時間の潰し方だな、って思ってるからさ〜」
生きる為の行為に手を貸すつもりはちっとも無いが、死ぬ準備なら手伝う気になれる。捻くれた人間だった。
「じゃーね、角のお兄さん」
そう言うと、湿った羽織を持ってシャワー室へ歩いていく。
>>9744 ラオヤ
「ありがとうございます。良かった、親切にしていただいて」
気紛れにあやかれただけだとしてもありがたい。
両手で受け取り、折り目正しく頭を下げた。
「はい。遅くとも明日には」
「助かりました」
>>9727
「はいよ」
頁を数枚破り、万年筆と共に貴方へ。
もしかしたら書きたい遺書が増えるかもしれないし。
「書き終わったら万年筆は返しに来てね〜」
>>9707 ラオヤ
「え。よろしいんですか」
「頂けるのであればかなりありがたいです」
普段からモノは持ち歩く物だな。
花屋のエプロンのポケットの中は空っぽ。
何も持ってこれやしなかった。
「シャワーを終えました!水とはいえ、やはりボディケアには使える!
さて、正念場でしょうしロビーに向かわなくては!大事な時に清めるのって死刑囚みたいだ!」
そんなことを言いながら、シャワーを終えた男がロビーへと向かった。何もかもを無視して。
>>9695 花屋
ふう良かった、バレていない。そういうことにした。
「手帳の破いた頁で良ければあげようか。万年筆もあるし」
非常事態に厳格な遺書も必要無いだろう。大事なのは内容だ。
絞った羽織を床に放ると、ポケットから手帳を取り出した。
>>9657 ラオヤ
「わ」
きっとパリパリだとかカリカリだとか、そういう音。
小さな声を上げはすれど、袖の中身を問う事はせず。
「へえ。……確かにそういうものがあるのなら、
いくつかあった方が」
譲りたいものか。自分には無いな。
無いから、1枚でいいかもな。
「書くにも買わなきゃな。
らくがき帳と色鉛筆位は売ってそうだ」
>>9600 花屋
身頃の部分を絞る。次いで反対側の袖を絞った時、乾いた何かが沢山潰れる音が鳴った。
例えるなら枯葉の山を踏んだ時のような音だ。袖の下に何か入れたままだったのだろう。
「あヤベッ」
「……遺書、何通か必要かもね〜」
何事も無かったようにパン、と湿った羽織を広げた。
「死んだら誰かに譲りたい物とかもあるし」
>>9583 ラオヤ
「はい。塩素の香りって結構するものですし……」
三種目の香りがあなたから漂う事になるかもしれないし。
お節介だったかな、とは思いつつ。
「『私は死んでません』ですか。大胆ですね……」
「お医者様がいる限り診断はされそうですけれど。
……遺書は俺も書こうかなって思ってるので」
「別に生きて帰れたら捨てればいいんだし。
書いておいて損はないかなって」
>>9552 花屋
「う〜ん……じゃあ、後ですすいどこうかな」
声音には若干の煩わしさが滲んでいる。あまり身嗜みに気を使わないタイプなのかもしれない。
「遺書書いとくか〜……もしくは、『私は死んでません』ってメモを死体の横に置いてもらうのもアリかな」
ぎゅ、と袖から絞っていく。布面接が多いから割と大変だ。
>>9530 ラオヤ
「ええ。有志の方が執り行おうと」
「実際行われたそうです」
そりゃあ驚くよな。
そういう顔をした。
「ああ……塩素。まあ、入ってると思いますが」
「どちらにせよすすいだ方が良さそうです」
>>9472 花屋
「葬儀!?」
声が思わず大きくなった。
「そこまで大事になってたんだ……。
ヤバいな、葬儀されたくなさすぎる」
不特定多数向けの遺書の必要性を感じつつ、そのままジャブジャブ。
「プールってことは塩素入ってるかなぁと思って。こっちの方が消毒になるかもしれないじゃん?」
どちらかと言えば、洗っている気分を味わいたいだけかも。
>>9410 ラオヤ
「ああ……いや」
「俺とは交流のない方で。葬儀も欠席させていただきました」
「ただその……葬儀の話を聞いたものですから」
床を見ていた視線はあなたの方へ。
それから選択の光景に。
「……シャワーの方が良いのでは?」
「いつから溜められていた水かわかりませんよ」
>>9341
「あ、昨日の角お兄さん」
「昨日死んだ人達、友達だったの?」
羽織からは煙草の臭いと、それとは少し違う甘い匂いが混ざっている。
その羽織を脱いでプールの水に浸けた。洗濯だ。
またふら、と現れて。
定位置になった窓辺に胡座をかく。
「…………」
「そりゃあ」「まあ」
「普通に弔われたいよな」
考えを改めるとしよう。
少し冷静になれたかもしれない。
誰に言うでもなく、独り言はプールの水面に落ちて。
「……はあ、久しぶりですね。水の沐浴も」
ぱさりといつもの装いは脱いで。
きっちり畳み、冷たい水を被っている。
慣れた温度だ。なんてことない。
「……はあ」
「消えませんね、この刺された傷も、古傷も」
誰かが見れば、引き締まった背中に、
あちこち傷やら痣やらが見えるだろう。
最も、のぞき見などされなければ見せるつもりなどないが。
「……あの者は早めに――……」
そろりと顔を覗かせた。
お、人気が少ない。
今がチャンスでは?
そうっと長い服の裾を引き、靴を脱ぐ。
そのままちゃぷ、と足先だけをプールに浸した。
「!」
冷た~い!
でもちょっと楽しい。
足先だけで暫くちゃぷちゃぷしています。
「私も身ぐるみ全部洗いたいですが
……分けますか」
手袋がつけられるまで乾けば、次はコートをバシャバシャと。
そうして水をしたらせた布を持って、個室の方へと向かうことでしょう。
服は我慢できる……と思ってたけど、やっぱ無理!
シャワーついでに洗濯をする。
「着替えなんてないしなー……」
出来るだけ水を絞って濡れた服を一旦纏う。
部屋に戻って、乾くまでしばらく待ちかな……。