『廊下』
薄暗く、色褪せた廊下。一切の破損はない。
絨毯は水にぬれ、だいなし。
中庭に面した壁は割れない窓になっている。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
『記録[
いつの間にか、その黒い瞳は人混みではなく窓の外の夜空を──ずっと雨が降っているから、暗くて夜かわかったものじゃないかもしれないけれど──何とはなしに見つめている。
相変わらず、どこかへ行く素振りはない。多分、今日は朝までそのままなんだろう。進んで口を開きもしないが、話しかけられれば、また別なのかも。
降り続く雨音を聞いている。人々の話し声を聞いている。
透明になった気分でいる。
「まゆこちゃん、ぱんちゃん、なんかあったらアタシも手伝うからね♡笑」
支え合って頑張ってるようだから、不要かもだけど。
声かけとくくらいいいでしょう。
動きたそうではないか。
もう少し止まろう。
「はいぃ‥.繭様の手足れす」
「扉を開けたり物を持ち運んだり杖になれましゅ」
頑張り天使。
羽を撫でられていた。
背中ではなくて腰から生えているから撫でやすい位置かもしれない。
魔法だとか名前は覚えてないとか言っているから、おかしな真似をし始めたら取り押さえようと思っていたが確かに腕は本物だった。
医者がいるなら多少のことがあっても安心できる
「じゃ、俺は別の場所を見てくる。攻撃的な奴も居るみたいだしみんな気をつけろよ。困ったら大人を頼っていいんだからな」
>>4990
自称天使だった。
しかしよく見ると腰から。
不揃いの灰色の羽はちゃんと生えていることだろうか。
「本当はちゃんとした名前があるのですが」
「ドジして戒めとして取り上げられているのでぇ…」
ポンコツ!キラキラネームで恥ずかしい。菓子パン。
「お好きにお呼びくらしゃい アンで構いません」
「…よろしくおねがいいたしましゅ」
イブキ様。一礼。
>>4989
「……ん、なあに? わたしは大丈夫だよ」
深く沈みかけた思考があなたの声で引き上げられる。やっぱり疲れが溜まっていたのかも。変に気分が落ち込みかけていた自覚がある。
>>4940
「ご協力感謝します…!」
なるべく痛くならないように、
丁寧に治療をした…
手際の良さなどで
ちゃんとした医者だと
分かる人もいるかもしれない。
「はい、終わりました
痛くしてたらごめんなさい…」
>>4967
「おー…珍しい名前だな。」
なんか恥ずかしがってる。もしかしてキラキラネームを付けられて名乗るのが恥ずかしいということか?
名前をそのままで呼ぶのはやめとくか…
「んじゃ略してアンって呼ぶぜ。俺はイブキでいい」
「……」
天使、悪魔、魔法。小説や映画、比喩表現でしか聞かないそれらを真正面から受け止めるのは難しい。
だから一度、言葉は言葉として素直に飲み込むことにした。
コスプレとか、置き換えやすいものにすれば良いのだと。
医者はA good eggに医療品をおくった
「はいぃ……あんぱんれす……」
あんぱんがすごい鳴いてます。
天使にとって名前は恥ずかしいものらしく、小さく縮こまっていたか。
ちび天使の方がマシだと思っていた──
「……………。」
自称天使のあんぱんよりまゆこの方がよっぽど天使ぽさがある気がする…と思ったが口にはせず、これ以上泣かれても困る。
「お世話係の人達は皆もっと大人だったし。15って若いのね」
今のところここで話しているだけで好奇心は満たせているらしく。
提案がなければ動く予定はないのかも。
天使だとか、魔法だとか。
そういうものは知らなかったし、多分わたしの世界にはないものなんだろうなと考える。
けれど、だからといってそれで距離を置いたりだとか、迫害したりだとか、そういうことは考えなかった。
それでいったら、わたしも人のことを言えないのだから。
玲依くんの方を見て困ったふうに笑った。
この女は、挨拶に気を遣わせないために静かにどっかいく女。
ので、気にしないでというポーズだ。
>>4873
「魔法とか使えにゃいんれすぅ?!」
通りで神に連絡が取れないわけだった。
やはり隔離空間・別世界。
不安がぐらぐらついていた。
「はわわわ………」
治療させてくださいと頼み込む医者。
天使だって怪しいと思った。
が、しかし。
「あぅぅ……!」
「わかり、ましたぁ…!」
渋々。べそかきながら。
「ほう…可愛らしい響きのお名前ですね」
多分あんパンについては知らない。
ただ、怪我の方が気になって
仕方がない…!
多分その辺をチラチラ見てる。
人じゃない二人の名前も一応覚える。
自分だって好んで差別してる訳じゃない、自分と違う存在がただ怖いだけだ。
例え同じ人間でも自分の知る世界と違っていたらきっと似た感想が浮かぶし、その印象を修正するのはきっと容易じゃない。