『廊下』
薄暗く、色褪せた廊下。一切の破損はない。
絨毯は水にぬれ、だいなし。
中庭に面した壁は割れない窓になっている。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
『記録[
人間パーティ…ではあるけれど。
冒険は終わったし。どうしようかな、と悩んでいるが。
四季さんも夜空さんもまだいるなら、もう少しいてもいいかもな。
「今のって"おもしれ~女"ってこと?」
多分違うだろうな。
「さりげなく流して受け入れてたけど、
やっぱり……こう、ニンゲンの規格外の人って目立ちますよね」
見る。魔法とかいう人、あと天使。
「はうっ じゅーご」
そばにいる子の齢をきけばあうあうなった。
当羽が…!!しっかり…!!!しないと……!!!
あと行きたいところがあれば言ってくださいねえ。
「ハゥッッ」
名前を聞かれれば肩が跳ねる。
人間に聞かれたなら答えなきゃならないから。
「当羽は、当羽は……」
「… 天使番号208番」
「そのぉ…… 通称はぁ……あんぱんとぉ…………申しますぅ………」
べそかきながら言っている。
名前の部分の声はすごい小さい。
「食堂か。それならさっきサニーとオモロスってやつにあった。オモロスが怪我してたからさっき手当てしてきたぞ。安静にしてりゃ治るだろ」
「ふふ。四子ちゃんって面白いですね」
正解!かも。
「さて、俺も他んとこ見てきます。んじゃまた」
「あーまゆこちゃんもね」
化け物の名前は覚えたくないんですけど。
差別の対象なんですけど。
共同生活は頭に入ってます。どうも。俺が平和主義。
別段人混みに紛れても苦にはならない。
女子グループとお話しをするくらいなら日常茶飯事だし。
……男子グループに紛れ込めるかはわからないけど。
怪我とかいろいろ騒ぎがあった手前、人といることが何より安堵できる気がする。
年の近い子や同学年の子がいるなら尚更だった。
「魔法……。」
ああ、この自称医者も多分人間側じゃなさそうだ。
でも記憶喪失気味ぽいから魔法が使えると思い込んでる普通の人間の可能性は捨てきれない、それはそれで…とちょっと思ってしまうけど。
流れのまま「男子は?」って聞こうとしたけど。
流石にキモすぎるな……と思って自粛した。学びです。
「モテ王はちょっとダサいかもな……」
「つれない相手に砂をかけて、
釣れた魚に餌をやるかも怪しい人」
「でもそう、多分、素直な、素直な人ですからね……」
好意的ではあるんだ。やっぱり。
そろそろ自分の思考と見つめ合うのにも飽いてきた頃合い。
呼吸に合わせてほんの僅かに上下する傘以外、大した動きも見せずにじっとしていた少女も、交わされる自己紹介に意識を引き戻されて、耳を傾けついでに傘もやや傾けていたことでしょう。
廊下の置物みたいになっていた自分なんかを気にする人もいないだろうし、名乗る名前もほんとはないのだから、別に口を開くわけではなかったけれど。
「…藍さんは思想がちょっと強いだけの素直な人だから、あまり悪く思わないであげてね…。」
何となくフォロー。怪我をしたのもあるから、例え自業自得でもやっぱり少し心配。
「幻滅」
自称しないで、モテ王を。
「……手当はともかく、
執刀は任せたくないな、記憶喪失のお医者様」
「そっちが病院に行く側でしょう、それは」
>>4849
「全然ダメじゃないですか〜!
しかもここって魔法とか使えないんですよね?
それなら尚更!」
「というか怪我を放置していると
気になって仕方なくて…!
すみません!治療させてください!」
もはや最後の方は頼み込んでる。
職業病だ…