『廊下』
薄暗く、色褪せた廊下。一切の破損はない。
絨毯は水にぬれ、だいなし。
中庭に面した壁は割れない窓になっている。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
『記録[
「あぅう……」
自己紹介に耳を澄ませていれば、10代から大人になりたての子供ばっかりなのでクラクラしていた。
当羽が…!しっかりしないと…!!(べそをかく)
「繭玉の巫女。まゆこでいいわ。
ついこの間に15の誕生日を迎えて。巫女は──」
首を傾げれば自分の背に生えた羽を揺らして確かめた。
「こうなってたのよね……」
人混みは得意じゃない人間その3
それでも居心地の悪さは感じない、少しだけ疲れるだけ。
隣に気を許してる相手が居るからかもだけど。
「若い子が多いと、それはそれで黒幕さんの思想を感じる……」
居るか定かではないが、黒幕。
探偵がいるからつい居るものと扱ってしまう。
「怪我天使れすぅ〜う゛」
天使は特に手当されてないです。
何なら手当を断ったくらいでした。
でも大丈夫大丈夫〜。
すぐ治りますよ!
「あ、まだ痛む部分はありますか?
もしあれば治療させていただきます…」
天使に話しかける。
「あ、自己紹介ですか?
名前は…ちょっと覚えてないですが
職業は医者!成人済です!」
亜希奈さんは同じ高校2年らしい、ちょっと親近感。
他の人の名前も頑張って覚える、もっとも半分は知ってる人だからそこまで大変じゃないかも。
これはこれで、廊下の壁側に寄っている。
ロビーにいた時と同じように……
「高校生、多いな……」
「手は出さないので安心してね……」
「……雨音 乃々、です。高校2年…。」
これまでも自己紹介は最低限に留めてたが、そういう流れになってるので控え目に自己紹介をする。
「ちいさいこに興味がないなら安心れすぅ」
天使安心。胸を撫で下ろした。
「はぅわ」
自己紹介を右から左へと流して聞いている。
できるだけ覚えようとはしていた。
記憶力のない天使だった。