『バンケット』
大宴会場。電気はないが明るい。
円形のテーブルが多くあるが椅子はない。立ち席。
奥には大きな舞台がある。
幕は朽ちて落ち、雨の舞台が公演されている
『記録[
口を開くと嫌が出るから、こうして黙っているわけである。
沈黙って金。余計な喧嘩はしないに限る。
首を横に振った。
ここではケガ人は発生していない。
よそから来たケガ人がいるだけだ。
「こっちの方って誰が怪我したーとかあるんすか?結構みんなやられたりしてるもんなんすかね」
まさかそんなことは露知らず。
素直なんで普通に喋ります。
「おっと」
誰かへ向けようとしていた足を一度止めた。
「確かに静かで落ち着く方の場所ですね」
「目立つ物資はありませんでしたが」
言葉の暴力と差別の化身だと思っている。
化け物呼ばわりだけで、結構イヤ。
そういうものを許容するのって相手の許容度が高いだけかも。
まさか化け物と見たら暴力を振るうようなやつだと思われてます?
化け物とだって名前を教えあったりしてますよ。
「うお蹴っ飛ばすところだった」
避けた。危なかった。善意があって良かったですね。
>>4915
「そうなのだろうか。」
頭を傾けながらも聞いている。
「あまりそう言うのではない。おまえは若い。
価値など、生きて出た時に己が決めればよい。無論此処でも見つかる場合もある。」
卑下する姿は見ていて堪らない。自己嫌悪に陥って欲しくない。
ブーツ鳴らしてやって来た化け物嫌い人間。
ヘイトスピーチの達人。思想が強い素直な人間。
「ここは静かっすね」
何か寝てるな。
さっきまで人間まみれだったんで、余計化け物が目立ってる訳です。
>>4847
「…………でも」
「そうやって誰かのした“優しさ”を分け与えるのって、簡単なことではないわ、よ」
だからそれをなぞれる貴方は、
きっと善性の存在なのだろう
「…………あたしには“価値”がない」
「帰る家もない」
「あなたのように立場がある訳でもないし、
別に善人でもないわ」
「…………だから、いざという時は、
あたしは自分を捨ててあなたを生かす選択をする」
「あなたの方がもっとずっと、“価値のある”存在だもの」
ケガ人も出たと聞くし、大丈夫かな……の気持ちもなくはないのだが。
暗がりではないし、人もいるし、平気なのかな……と納得した。
手を振る姿に、丁寧な一礼をする。どこかほっとした顔をしていた。
静かながらも、顔を知っている人を見ると安堵の気持ちがあるらしい。
物腰穏やかな人だったと覚えてはいた。
「おや、睡眠の邪魔はしないよ」
物腰柔らかな男は何かを訴えることもなく。
振り向けば戻ってきた小さな姿を見つける。
手を振ってみせた、今日も静かだろうかな。
「こんな所で……」
「……」
こんな所で寝るんだ。と言おうとしたけど。
昨夜ここで寝落ちて爆睡した人間なので、他人のこと言えないのである。
てこてこと戻ってきた。
暗い気分をもどうにか落ち着けた、つもり。
「…………」
落ちた羽根を見て、あ、と思う。
無事だったのかな。きょろりと見回せば、舞台の方にある姿を見つけられるんだろうか。