『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
「だってドリーミングジジイって加齢臭するでしょう。加齢臭って最悪ですよ」
「殺されるかもしれません」
嫌でしょ。加齢臭で殺されるの。
『食堂で、お掃除したら』
『紫のリボンの、メイドのお姉さんがくれた』
『嬉しい』
ピンクのクレヨンで書いて、お花も描いた。
まさかお礼にもらえるとは思ってなかったらしい。
やっぱり喋ってた方がコミュニケーションの取りやすさはあるなぁとしみじみ。
最初はいらないよとしていたけれど。使うと、便利です。とても。
「違うんです、何も違わないんですけど……」
「その人の好悪には全く関わらないんですけど、
事象に対して車間距離を空けてしまうと言いますか」
しどろ……もどろ……
「お、そういやフードの坊主いつのまにか筆談するようになったのかァ~」
「自分で買ったのか?なんか意思疎通できると距離縮まった感あるわァ~」
タオルありがとなァ~
「人体が一番匂いやすいところ教えてあげましょうか……?」
こそ……。
毎日そこを拭くだけでもおじさんを抑えられ拭かもしれません。
廊下でおじさんと呼ばれてショックを受けた片羽も周りの言葉には眉を下げています。
>>8365
寒いのは皆平等だから、しっかり押し付けているんだろう。
ぺこりとお辞儀を返して、満足げ。
意図はきっと汲み取れた。
これにも押し付けられていたなら。
あんな問答をした手前、口に出して感謝はできなかったが。
小さく頭を下げるくらいはしただろうな。
寒すぎるから、断る選択肢はなかった。
しばらくシャワーだとか、
布などの物音が響き…
「ひえ〜〜…
風邪をひいてしまいます…」
出てきた。
さっきと比べて
ナヨナヨしてるし目が青い。
いつもの【医者】である
ことが分かる人もいるだろう。
『命には代えられないから……』
清潔感、なさすぎても病気になりそうだけれど……。
風邪を引いても病院も薬もないんだもの、ここ。
「ハラキリ、フジヤマ、ワビサビ……」
「やっぱり自前の布を用意してそれで拭くしかないですよ、浴びたくなかったら。
誰も風邪を引いてないのは確かに奇跡ではありますし」
「やっぱ日本ってあるんですね……
かつて存在したニンジャやサムライの子孫が……
駅の隙間のホームに魔法学校が……」
尚更生きて帰りたくなったかもしれない。
お友達、人生において一人もいなかったので憧れがある。
憧れがあるだけで作れる環境ではなかったのだが。
仲良しっていいな~、ほわ……と想いを馳せている。
シャワー使用人にも一礼をして見送る。
確かタオルが用意されていたはずなので、そっと置いておこう。
不穏の原因は大人しくしているので和やかである。