商業通路(東)
改札外東側。
主にジュースやパンなど、持ち帰りの飲食店が多い。
営業時間外の為、殆どのお店は閉まっている。
「お疲れー」
「今ちょうど取り込みちゅーだから」
巻き込まれたくないならあんま前出んなよ、と
新たに増えた人影にそんなことを言っておいた。
「ちわ~~っす…」
巡回中。懐中電灯片手にゆっくりやって来る…
「……って、アレ!?
な、な、なんで殴ってンすか!?」
たまたまパンチする様子を
目撃しただろうな。
「……悪霊、退散ァッ!!!」
突然その場から走り出したかと思えば、猛スピードで敷島さんとの距離を詰めて。
その勢いのままに、あなたに向けて拳を突き出した。
空手黒帯持ちの渾身のパンチである。
……なお、眼の焦点が合っていないからなのか、狙いは微妙にズレているので。
仮に回避が間に合わなくとも、精々頬を掠める程度で済むだろうか。
「カッコつけんならこういう時にだって敷島サン」
調子のいい奴である。頼んだ、と軽く拝んでまでいる。
単純に自分はそんな領域にまで足を踏み込んでいないから、
貴方と彼女がどの程度苦しんでいるのかわからないのもあるが。
「それにアンタの方が仲良いっしょ」
たぶん。わかんないけど。
少なくとも自分より、よく話していそうだったし。
他人を気にかける余裕があるのなら、そっちがやるべきでしょ。
というわけで少し離れたところで見守りの姿勢。
「くそ、クソ……」
どうやら彼女は理解不明な理不尽に対して、恐怖や絶望だとかよりも先に、怒りが湧いてくるタイプのようで。
「クソッタレ……!」
……この様子ではきっと、あなた達のことを異変か何かと勘違いしているのだろう。
その場から立ち去ったニカさん、遠くにいるアラシさんを一瞥した後に。
間合いを詰めてくる敷島さんを、濁り切った目で鋭く睨みつけたかと思えば。→
「おじさんに頼む?フツー」
先程までヤバかった人に頼むのかぁ…と思いと
対人不慣れなニカ氏が立ち去る姿を見てうーん…何か悪い事したなぁ…といった感想と
明らかにおかしい御手洗氏の様子と
色々重なりすぎて頭が痛い
視界の異変と幻聴も健在で余計に
「対処出来そうになかったら…まあ、頼むよ」
黒帯相手に出来るかはさておき取り敢えず壁を殴っている彼女の元へ
「御手洗ちゃんってば、さっきから呼んでるって」
呼びかけながら間合いを詰める
詰めねば何も出来ないので
>>6539
笑う声に同調するように笑った。乾き笑い。
「ェ」「なん、で」
謝罪されているのだろう、無理はしていない。自覚的な思い込み。
あなたが気まずいと思うほど、対人不馴れの挙動を晒していく。知り合い集団が出来上がりつつある現場に焦り。
「……こっ、こちら、こそ」
「ごめ、なさい」「申し訳ございません」
大袈裟なくらいに頭を下げてから、一歩、二歩下がって。
この場を逃げるようにこの場を離れるか。
「……えー……っと……」
「……これマジでやばくね、敷島サン、どうにかできない?」
さっきまでやばそうだった相手に頼むのもどうかと思うけど。
関わりたくないと言う気持ちを隠すことなくそちらへパス。
「ぶん殴られそうだったら流石に俺も助けに入るからさー……」
「…………は、ハハ…………」
右手をこめかみのあたりに当てながら、引き攣った笑みを浮かべ。
壁に寄りかかり。
「くそッ、くそ、クソ、クソッ、チクショウ……!」
悪態をつきながら、左手で何度か壁を叩く。
虫か何かを叩き潰そうとするかのように、執拗に。
「……ンでまた、こんな目にッ……!」
段々と壁を叩く音は強くなってゆき。
また、その声にはどこか怒りのようなものが滲んでいる。
明らかに正気ではない……!
正常値-409の世界へ。
「……ホント、その様だね」
御手洗ちゃんもかぁ………とまた一つ悩みの種が増えた
というか自分と似たような事になってない?とさえ感じる
其れくらい今の彼女は虚ろで危うい
「御手洗ちゃん、正気に戻りな〜…
ふらついてたら危ないでしょ」
>>6508
「はは、体調は問題ないよ
健康診断で引っかかった事ないし
しかしまあ、確かに災難だったね…まったく」
体調は問題ない、あるのはやたら心や精神を削り、掻き乱す異常だけ
「……なんか、悪かったね
君も無理して話してるみたい?だし」
言葉のボキャブラリーや意図がやけに中立だったりで言葉を選びすぎていると感じたのか
迷惑かけたことも含めて謝罪を1つ
気まずい…そんな空気に耐えられなかったのかもしれないな
「…………。」
「ほら、格好悪いとかどうとかもう関係ねーじゃん」
こうしてまた様子のおかしい誰かがやってくるんだから。
「どっからどう見ても今日もカッコいいアラシくんなんだけど?」
「おーい、大丈夫?しっかりしなよ香里ちゃーん」
軽く手を振ってみよう。大丈夫かな。
「…………」
明かりを向けられたからだろうか、歩みを止め、その場に硬直した。
返答は無い。
「……異変……?」
そう呟いた彼女の目は虚ろなもので。
その目線はあなた達の方を向いているようにも見えるが、どこか視線が合わないというか。
あなた達ではなく、何か別のモノでも見ているのではないかとでも言うべきか。
>>6414
「ぇ、え」「声」
「それは、……災難、でしたね」
脳内返答リストから引き出したのは、大味に『災難』と括る言葉だった。
現実に存在する異常を受け容れたくない。他者が被る異常を否定できない。
こちらが持つボキャブラリーの中で、最も中立的で支持的な意を引く。
「顔を、覆っていたので、てっきり、体調を崩したのかと」
思っていました。語尾が消えていく。
意志を感じ取ったにしては掘り起こすような、意図的にしては裏のない発言だった。
「むぅ…そんなものなのかねぇ」
格好つける云々はまあ、嘘
只、大事にしたくなかっただけで…なんて言った所で変わらないかもしれないな
「まったく…要らぬところを見せてしまったもんだ」
「……なんか来たと思ったら香里ちゃんじゃん、お疲れー」
足音に反射的に向けた懐中電灯。
光を向ければ知り合いの姿だったため
直ぐに灯りを逸らす。
「……どしたん、懐中電灯切れた?」
キュ、ト、ト、とスニーカーらしきもの足音が、暗闇から響く。
「ああ、クソッ……」
暗闇の中、小さな声でぼそぼそと呟きながら歩いている長身の女性がひとり。
その足取りは少しふらついている上に、何故か懐中電灯を手に持っているにもかかわらず、そのスイッチを切っている。
あなた達の方から彼女の方に明かりを向ければ、その様子が分かるかもしれない。
向けられた呟きには知らんぷりを決め込もう。
年上のメンツを保ってあげよう、なんて俺がやる必要ある?
「つーか別にガキもオトナも関係ねーだろ」
だから知りません、そんな呟きは聞いてません。
格好付けるからそんな風になるんじゃないんですかー?
>>6376
「―――いい歳した大人が格好悪いからこの事は他言しないでくれたら嬉しいねぇ」
なんて貴方に対して呟いていたかもな
一々大事にしたくはないらしい
>>6389
視線から見るに貴方は己の顔までは見れないと悟り
同時に好都合だと思った
このまま答え合わせなどせずに居てくれれば少なくとも誤魔化し取り繕える猶予が与えられるのだから
「うん、参ったよねぇ…また声が聞こえてさ」
肩を竦め、飄々とした声色でそう返す
実際、声が聞こえてるだけでは済まないナニカが起きていたが其れを有耶無耶にしようとする
そんな意志を感じてもいい
>>6355
意識して視線を上げても首元まで。姿と声は繕われたあなたしか知らなかった。
少し前の様子を見ていたから、繕っているのではないかと思わないでもない。答え合わせをする度胸や発想は持ち合わせていなかった。
「……わた、わたし、が?」
ワンテンポ遅れて間の抜けた返答。
言葉は少ないが、戸惑いの中には『それほどの異常事態に遭っていた?』が多分に含まれる。
そりゃ見ますとも、何してんだろうなって。
まあ……どっかで見たようなことが起きてるんだろうけど。
首を突っ込む気はないので手持ち無沙汰のままでいるが。
カチカチ懐中電灯を明滅させて、暗闇の方でも見てようかな。
>>6325
この業務を遂行するならばきっと其の方が良いのだろう
否定し続けてもいい、マトモに取り合えばきっと貴方の前に居る彼の様になりかねない
「…うん
君が声掛けてくれたからだと思う
ありがとうね」
帽子を深く被りながら深く呼吸をして整えてから貴方に礼を述べる
貴方は彼の顔を見なくて良かったかもしれない
繕うのを務めている最中である今の彼の表情はひどく疲弊していたろうから
曖昧で蠱惑的ではないひとの声も聴こえてきた。
そろりと視線を向ければ紫煙を確認する。喫煙、奇異行為は視られず、肩の力が緩む。
……ことはない。やり取りが視られている緊張感が勝った。
「みんな奥の方にでも行ってんのかなー……」
自分は面倒だし此処らでいいや、と煙を吐く。
どうせ様子の可笑しいのはより暗い方にでもいるんだろう。
よくやるものだな、と煙と共にため息も吐いた。
「頭イカれてんじゃね……」
>>6269
ここは普通ではなく、異常な場所だ。
──それを真正面から受け入れられる精神力はない。身の回りで感じ、業務で体験をしていても、頭の中で否定を続けていた。
「アッ」「ェと」「……そ、その」
呼び止めた側であるのに想定外に出会したように驚愕する。
しどろもどろ。視線は下がりがちで、あなたの顔は見られない。
「だい、じょうぶ」「なら」「よかった、です」
ぼそりと復唱し、安堵は心のもの。