ホームD
ホームの一つ。
7・8番のりばがある。
美しい盤上から踵を返す。
なんでもない現実へ帰る。
糧にして生きていく。
「ま、フィルムくらいは、持ち帰ってもばれやしないだろう」
さようなら。嘗て俺が好きだった筈の怪奇達。
使い古したリュックサックを背負い直す。
此処での用事はとっくに済んでいる。
帽子の鍔からは半端な色の瞳。
「俺にはもう一つ、稼いだ金の使い道があるんで」
「っていうのは、……」
「問題未満か、やはり」
肩紐が少々きついな。肉が痛んで仕方無いな。
着替え程度の腸である癖に破裂寸前らしい。
さて、俺は平行線を伝い、些末極まりない日常へ帰ろうと思います。
ここで起きた物事に関しては守秘義務に従って口外はしません。
顔色の定かでない花々、穴場とされた頂点Pについて。
所謂、普通の枠組から逸脱した怪奇現象。
薄暗い穴蔵の向こうを見通そうにも見えず、
蛍光灯は灯っては消えてを繰り返している。
ここは銀河ステーションではなくて、
名も知れぬ無人駅なのですから。
現実という区分にあるのだから。
帰りの電車が来るには未だ早いらしい。
自分の足引き摺って帰れと言いたげだ。
それすら、気の所為かも知れません。
家じゃ認知症を患った母親がカンカンに違いありません。
訪問介護を雇える金の持ち合わせがあれば良かった。
生憎とうちの家計は火の車なんです。
でもって自転車操業なんで。
俺でなくともいいけれど、俺でなければならない。
これらは比較的、矛盾が少ない状態で成立する。
心の弱い人は縋り付く芯の様な物が必要なので。
たとえば、目視の叶わないオカルト。
たとえば、宗教への信仰なんかも。
俺は、まあ、神様が居たらいいなとは思います。
給料明細を眺める。ちょっとしたショックとご対面する。
最低限の備品は一種救いだったかも知れない。
しかし、1泊につき2万とは中々良い値段。
「ありえねぇくらい引かれてる……」
「ま~それでも大分手元に残るかな」
解き明かせるかも分からない謎が増えた。
これは喜ばしい事かも知れません。
あなた達にとっても。
「きみ達も、そうは思いませんか」
爆弾処理なんて素人に出来る筈もない。
電話口から指示を出されても、多分、俺にはどうとも出来ませんでした。
何色の線切っても結果同じな気がする。
「これが4万ぽっちじゃ割に合わないな」
あ~あ、って感じ。
あ~、でも、それって滅茶苦茶気持ち悪いかも知れない。
俺の体に俺以外が同居して棲み着いてるなんて。
まあ、俺が俺でなくなるのは良いのかも。
いっその事明け渡してもいいくらいだ。
俺の自我って一番要らん物なんで。
「あ~……」
何個か口約束未満があるんで。
結局そうもいかないんだけど。
ともあれ、時限爆弾がもう一つ増えた。
それも知らん何者かに取り憑かれてるなら腑に落ちる。
俺が俺でないものに書き換えられているとするなら。
「あれも、俺達みたいなのが成り果てた姿なのかも知れない」
トイカメラのファインダーを覗き込む。
曖昧の色の群れが映し出される。
何も居ないと、されている。
「お疲れ様ですとは、また古典的な」
「このスライドを眺めてると巨頭村なんかを思い出す」
「事実は小説よりもなんたらとは良く言いますからね」
そもそも、人語を介する怪異と言うのが甚だ奇妙な話でした。
異常そのものに俺の正常を囁かれたり。
見えない物が見えるようになるとか。
ふらりとホームへ。
今日はもう戻らなくてもいいか…なんて思いながら、ホームの縁ギリギリを、落ちそうな足取りで歩いてゆく…
落ちたらどうなるんだろ?電車が走ってたら…?
廃線だからそれはないけれど。
別に誰かが待ってるでもなし、問題は何もないから。ああでも仕事は…別にないからいいか。
待つ人もなければ、自分には何もないのだと。
死にたい訳ではないけれど、生きていたい訳でもないし…
つらつら、珍しく考えて。
ふと、足を止めて座り込み。
何も見えない暗闇を、見上げたりして…
>>15435
>>15443
「見世物じゃね……セリフ被ったな……」
息が合うふたりとはこのことか。
「それはこっちのセリフですよ、無事に終わったからよかったですけど……
……あークソ、帰ったらさっさとメシ食って寝よう……」
同時に起きた異変の対処に、ヘンな感情の芽生え。
終わり良ければ総て良し、とはよく言うが。にしても限度があるだろうが!
あなたの手を引っ張りつつ、早足で宿舎に戻ろうか……
>>15432
>>15435
「茶化すな
見世物じゃないっての、まったく」
子供かとなったがよく考えたら多分2分の1しか生きてないよな、彼…となった
じゃあ子供かと納得した、ひでぇ
「そうする…何か色々有りすぎてドッと来るわ…」
歳云々でなく色々有りすぎてメンタルが疲れたの方
陽都氏を監視対象にしつつ帰ろう
安全確保とは言え恥ずかしくなってくる…本末転倒過ぎる
>>15427
「待てコラ。あんな異常見せつけておいて一人で帰すとでも?」
道中で再発したらどうするんです、と付け加える。
それはそう。
>>15414
「あのねえ……お互いもう恋愛どうこうではしゃぐようなトシでもねぇっつうの。
しかもこんな状況で。」
別に恋愛っていくつから始めても良いものだと思いますけどね。あとアンタはまだ若い方だろうに。
今彼女の中にある気持ちがそういう類のモノなのか、という部分については。
まだよく分からないが。
>>15417
「行きましょう。なんかこっちも恥ずかしくなってきた……」
そう言いつつも手を離さないのは、安全確保の方法としてコレが一番確実で楽だからで。
いや確かに安心感は凄いのだが。
それ以上の意味は無い。ないったらない!
「お2人だけの時間が必要だろうし
俺ちゃんは先に帰るよ〜?」
もしかしてからかってる?
前まで異常であったものの一人で帰っても…
まあ、大丈夫だとは思うが。
>>15412
「うん…危ないしね…」
此方も言い訳じみた理由を付け足しつつも
こうして貴方の手が収まると何だか安心感もあり、気恥ずかしさもあり
今までない気持ちになる
>>15414
「恋って……君ねぇ……」
此れには彼も歯が立たない
年甲斐もなく意識してしまって何と返したらいいか分からないのもある
>>15411
「え〜、俺ちゃんもそんな感じの恋したいな〜ってね?」
ここで見るのは怪奇現象ばかりかと思ったが…
たまには自分が相手ではない者の恋愛を
見守るのも悪くないかも。
>>15342
「あー……そうですね。そうしますか。」
これじゃあ歩きづらいでしょうし、と言い訳の様に付け足して。
あなたの手首を掴みっぱなしだった左手を下に滑らせて、そのままあなたの手の中に収める。
手袋同士が擦れる音がする。
これだって、いつも通りのことの筈だったのだが。
それでも一度意識してしまえば、なんだか妙に気になってしまう、というのは。
人の心とはなんとも不便なものだ。
>>15347
「……何ニヤついてるんです。」
ばつが悪そうにそう言い放つ。
あなたからの視線に気づいたらしい。
>>15296
「……そ、そうかい」
ちょっぴり頬を赤く染める貴方を見て
照れくさそうに自らの頬を指で掻く仕草
嗚呼、もう…引き返せない気がするな、まったく!
「うん…でも、手は繋いどこうよ」
せめて何時もの様にさ、って
今となっては此れを言うだけでも緊張することになるとは思わなかったな
>>15275
「すんません、今改めて色々思い出したらちょっと照れちゃって……」
帽子を少し上げる。
直球で褒められた諸々だとかが全部本心からのモノだ、と言われれば、まあ。多少は照れるのも致し方無いでしょうよ。
ちょっぴり頬が赤く染まっているのが分かるだろうか。
「帰りましょうか。……このまま歩いても良いです?」
このまま、というのは。今の手首を掴んでいる状態のことだろうか。
せめて普通に手を繋いだらどうかな……
>>15238
>>15240
何か笑ってるな…と思いながら相方を見ている
無自覚ながら不器用な迄に彼は貴方にずっとそう言い続けていた
まあ、隠したり誤魔化そうとしているけど
「…ほら、話したから帰ろう………?」
何か力込められているな…と手首から伝わる手の力から感じる
怒ってる?と少し不安げ