コンコース(南)
改札内広場の南側。
主にホームへの登り階段・エスカレーターがあるが、コンビニもある。
閉まっているが。
「ああ、まあ」
「取り敢えずなんでも報告しとくかあ……」
確かにね。大事ですその精神は。
今日もおにぎりが美味しい。ぺろりと食べ切った。
【道具使用】
洞木蜜 は 飲み物 を使った。
のみものを飲んだ
【道具使用】
洞木蜜 は 塩おにぎり を使った。
塩味が効いている。
【道具使用】
洞木蜜 は 梅おにぎり を使った。
すっぱい!
「うーん」
「うーん……」
「気のせいかも? ってラインの異常だとさ、報告して大丈夫かちょーっと迷うよねぇ……」
自分の後からやってきた彼にもお疲れ様〜と声を掛けつつ、もそもそおにぎりを食べ始めた。
「おつおつ〜間戸君もお疲れ様」
なっきーは気に入ったらしい…笑顔で手をひらりとさせて。
「僕もその椅子と通路見たよ〜何だろうねぇあれ」
今日も楽しげ。
「長い通路? 聞いた事無いですね……」
「いや、椅子があってって話は聞きましたが」
「うーん……異常だとは、思うんですけどね」
ここ広いですけど、毎日回れるくらいの大きさなので。
疲れるくらい長いってのはちょっと。
座ると同時に溜息一つ。
「あのさ、通路が長いのよ、いくらなんでも」
「流石に疲れてきたなーってとこにぽつんと椅子が現れるんだけど、座っちゃダメだなーって気がして」
「それを暫く繰り返してたんだけど、」
「これって異変だと思う? 俺が方向音痴なだけ?」
あんまり、自信がない。
「いるよ!」
高い声が人気のない改札内に響き渡る。
わたわたしながら消してくれたライトには、だいじょーぶーと緩い声を投げた。
「みっちゃんはさー新しいとこ巡回してどーだった~?」
「こっちにも大きな顔は出るっと…ずっと続く道に…」
ぶつぶつ…おや?と人の気配に顔を上げて。
「みんなお疲れ様〜」
なんて呑気な声を上げて近づくのだろう。
「あ、東谷さんもいる?」
みっちゃんって呼ぶ人、あなたしかいないからね。
「あ、あー、ごめん、ごめんね〜……」
わたわた、ライトを消して。どっちの横に座るかちょっと迷って、間戸さんの方に。
野郎二人で女の子を挟んで座るのはちょっと、ね…………
「え、あー、……」
「……間戸さんか、お疲れ様〜」
合間に、前髪を払うような仕草を挟みつつ。
自分も座らせてもらおうと近寄って行くかな。懐中電灯を消し忘れているので、ちょっと眩しいかも。
「短いようで長いよね」
普通の場所でも何かしら支障をきたすかもしれないのに。
加えて精神的に来るような現象が起こるのであれば。
「…友達になった人達がおかしくなっていかないといいけど…」
皆良い人達だから、尚更。
「うん、そうです」
そもそも身の安全も保証されてないですからね。
「俺もそう思ってます」
「でもまだ一週間以上、
俺達はここから逃げられないしどこにも行けません」
「全員が全員俺じゃないし、
東谷さんみたいに息抜きが上手くも無いでしょうから」
「この先が思いやられますね」
「ああ、やっと終わった!」
「いや〜永遠に続くかと思ったよね、道……」
「え、ここどこ?」
どこか疲れた様子の男、今日はきちんと懐中電灯を持っています。
買ったはいいもののすぐ明かりが切れるな……と商業通路を見回っているうちに、こちらに迷い込んでいたらしい。
どっか座れるとこ〜……と言いつつきょろきょろしている。
「危険手当的な?」
多少の危険は予想してたけども。
先の予想をちゃんとつける程賢くはないので餌に釣られたバカである。
「…どうなんだろ」
「アタシはさ、美味しいもの食べて飲んで推しピの動画見てメンタル保てるけど」
「もう今でさえ逃げたいって人もいると思うんだよね~」
「その分の報酬なのかもしれないですけどね」
って、この男はそれを理解して来てるんだけど。
どうやらそうじゃない人達も沢山いるらしくて。
これに騙される方が悪い、とは──
やはり渦中にいると言い難い。
「そうですよねー」
「ただ、大した解決策も無いんですよね」
「美味しいもの買って食べるくらいで」
「“もつ”んですかね、皆」
「二次元キャラを推してる人もいるんだし、まぁ…オカルト推しな人がいてもおかしくは…」
おかしくは……あるかも…。
「それな」「高いお金貰えるのはいいけど、メンタル削れるのはなーって」
「結構キツいね」
まだ始まって間もないのに。
「推し……」
オカルトを愛する異常者みたいじゃないですか?
違わない? そう……?
「期間はまだまだ長いですしねー」
「俺はチャンスはまだあるって思えるけど、
他の人達は皆そうじゃないんだろうなって思ってます」
「かと言って早く帰れる事も無いんですけどね」