コンコース(南)
改札内広場の南側。
主にホームへの登り階段・エスカレーターがあるが、コンビニもある。
閉まっているが。
「会えない推しを愛してるファンみたい…」
適切でない表現かもしれない。
羨ましい気持ちは分からなくはないけども。
それに、あなたに馬鹿にするような感情は見受けられないので。
「そだよー。むしろ初めてだし~」
「だからめっちゃコワくってさ」
「推しピで浄化するのも限界あるっていうか」
「羨望の眼差しで見てるので……」
馬鹿にするような意図は無いんですよね。
純粋に羨ましいなあって……
「まあ神様の理不尽は今に始まった訳じゃないですし」
「東谷さんって元々幽霊見る人とか、
そういう感じじゃないでしょ?」
「そしたら帰ったらもう見なくなるかもですよ」
ここに居る間は、ちょっと。アレですけど。
「マ?でも今まで見ても感じてもないんでしょ~?」
興味津々な人の所には何故か寄ってこないのはバグなんでしょうか。
いっそ自分も興味津々になれば怖くはないのか?…いや、無理だな…。
「神様って理不尽だよねぇ!ふこーへーだ!」
「そっ、そこまでは思ってませんけどぉ……」
何かあるのかなあ? どうなのかなあ? くらいで……
まー見えてないのは本当にそうなので。
ちょっと……言い逃れは出来ない。
「分けて欲しいです……」
駄々こねあってます。
「ただ歩いてるだけなのになんでみんなそんなに怖がるの?!的なやつっしょ」
「分けられるなら分けたげたいよ!!」
「コワいのヤだもん~~~!!!」
やだやだと駄々っ子。
「そうなんです!」
「真っ暗な中をただ歩くだけで……」
「そ、そんなー……!」
「半分くらい分けて欲しいです」
「俺だって見たいんですよ」
「じゃあまどっち的にはこのバイトもただ暗い夜道を歩くだけなんだ…」
「楽してお金貰えるならそれが一番じゃん…」
「いいな~~~~!!!!」
心からの叫びが響いた。
そんなあ……
「本当に何も分かってないです」
「人と一緒に行っても、
俺だけずっと頭にはてなですよ……」
それはそれで最早ホラーなのかもしれません。
普通は真逆なんですけどね。
「霊感ある人が居たら聞いてみてよ。アタシはないし~」
すごい、第ゼロ感。最早それは才能かも。
「あぁそれでこそまどっち~」
ブレない安定さがあって逆に安心する(?)
「マジでまどっち何も分からんタイプ?
あれだけコワい事起きまくってるのに~」
「うーん、どんな風に見えるんでしょうね……」
あなたが感じているものさえ感じられない零感男には
想像もつかないのでした……。悲しい……
「そうなんですか? う、」
「羨ましいー……………………」
「ねー。霊感とかさ、あるよね」
「ああいう人達って何が見えてんだろ」
「お化け的なのは見なかった……あごめんウソ」
「後ろに気配がして振り返っても誰もいないとかはあったよ~」
「コワいよね…」
「これは環境が悪いのかそれともまどっちの才能なのか…」
「いつか見れるといいね。アタシはヤだけど!」
お隣失礼しまーすと遠慮なく座る。ひゃっこい!
「ワンチャンは無かったですねー……」
「うん、俺もそう思ってたんですけど」
「あと他に何かあったら良いかなって、
試しもしたんですけどー」
案の定全然で。
寄ってくるならどうぞ。
階段に座ってるからお尻冷たいかもですが。
「そっかー残念だねぇ!」
「場所が変わったらワンチャンあるかなって思ってたけど~。そう簡単じゃないんだぁ」
せっかくだし近くに寄ろうかな。とてて。
「そうかい…なら大丈夫かな」
うーん、元気ハツラツ
若いのはいいね
「うん、気を付けるよ…」
何だか此方を招く様な声が響くしね
とは言わず
「じゃあおじさんは別の巡回に向かうよ、またね」
そう言って立ち去るのだろう
「うん…まあ、危ない橋を渡るのは程々にしとくんだよ〜…」
オカルトマニアの行動力は大したものだ
だがそれが災いして大変な事にならないといいのだけれど
「長い髪かー」
「幽霊あるあるですね」
想像します。
不衛生で、ちょっと不気味ですよね。
「ありがとうございます」
「参考にしますね!」
「だろうね」
一文無しも夢じゃない、なんて嬉しくない悲報すぎる
「まあ、確かにね…
………長い髪が絡まるとかそんな話くらいかな、おじさんが話せるのは」
「めちゃめちゃ出てますよ?」
支障。
「だから尚更聞いて回ってるんですよー」
「ほら、最初から何が起こるって知ってれば
そっちに意識を向けておけるじゃないですか」
「あと物欲センサーは本当に否めないです」
「それはそれで仕事に支障しかなくない…?」
報告もできてるか怪しいな…
「あれじゃない?物欲センサーって奴
それが邪魔してるんじゃないかねぇ…」
適当言ってるし確証なんてないけど
「いやー俺霊感無さ過ぎて
まだ何も見てないし聞いてないって言うか……」
ヘヘッ。だから確認のしようがないんですよね。
話した事は全部、誰かの話で。
「そういうの話したらネタとして面白くないんじゃないの〜?」
それらの問いに関して自然体装ってはぐらかす
こういうのは自分で確かめなさいとそんな様子
言えるわけがないよな、まったく
「はい、大事にしてますよー」
敵を作ってるかは知りませんが、
今のところオカルト好きな能天気
くらいにしか見られてないと思います。
「子供の霊“は”って事は
大人の霊は見たんですか?」
「大きな顔とか? 指とか?」