コンコース(南)
改札内広場の南側。
主にホームへの登り階段・エスカレーターがあるが、コンビニもある。
閉まっているが。
「明かりもってんのエラ~」
「あったらあったで見たくないもの見そうでヤだったけどあった方が安全だよねぇ」
流石に買いましたけどね、明かり。
「間戸さんと比べたらそりゃね」
「でもトランシーバー買えたんでしょ? おかしいな、どこで差がついたかな……」
「歩くのが遅い、のかもな…………」
なーんでこんなお金ないんでしょ。
ふらふら歩いてるからじゃないですかね。多分。
距離も数も稼げていない。
「懐中電灯の動作不良も、所謂怪奇現象なんでしょうか……?」
不良品にしてはちょっと件数が多いような。
どちらにしろ嫌なのだが。
「足掴んでくるの、怖くはないけど面倒くさいっていうか……」
「いっつもなんでか帰りがけに掴まれるんだよねぇ……」
嫌がらせされてるかも〜〜
「俺よりは見逃してないと思いますよー」
誰か教えてくれる人がいなければ
100%スルーしますからね。零感男。
そうですね。壁に天井に窓に。
何だか大きい目とか口とかがあるらしくって。
ここって別にセーフポイントじゃないらしいんですよね。
「ええ、バリエーション多くない……?」
「俺って自分で思ってるより見逃してるのかもな……」
見たことも聞いたこともない異常が多いですね……
「今日は明かりが切れたのと長い通路の椅子だけだったな〜」
「あと鏡にライトが反射したときは眩しかったね」
見逃しポイント:人影
「大きな顔も、まだ……」
見たことは……いや今そこの壁にありますけどね?でっけー口と目がね?
「け、結構力が強いんですね……お怪我は無さそうで、何よりです」
うひゃあ。想像するだけで恐ろしい。
こんな暗がりで、足を挫いてしまえば……。
おぉ、すごい偶然の一致…!!同じ場所だったのかもしれませんね?
「あれは結構強かったからね。走ってたら転んだかも」
ピタッと止まっちゃったんだよね〜なんて。
「足を掴む人、会ったら気をつけてください」
「一緒に行ってた人が掴まれたんですけど、
つられて俺もコケるくらいだったので、女の人は本当に」
「僕も行列見たなぁ。お客さんなんて居ないはずなのに、店に並んでる奴」
長い通路も椅子もデカい顔も見た。なんか同じ通路でも通ってた?
「誰かと一緒だと短く感じるって奴かね」
一人より良いのはそうかも。
矢張り。人には見えぬものらしい。
視線の動きでそう悟った女は、意識外にそれを追い払った。
「あ、そうだったんですね……?」
「幸い、足を捕まえてくる人??とかには、出会わなかったんですけど……」
「い、椅子???椅子ですか……」
首をひねった。ピンとこなかったらしい。
「似たようなもんなんだ……」
そんな人も、いるんだ……
巡回バイトをよくする人まではともかく、全国津々浦々の部分まで肯定されると思わなかった。
世界は広いな。
「行列に満席か〜そんなのもあるんだね」
楽しげに四月一日さんの話を聞いて。
「僕もなっがい通路あったなぁ…あとはなんか縋ってきた感じがあったり、座っちゃいけなさそうな椅子を見かけたりね。そうそう、でっかい顔もまた見れたよ」
「?」
それでちょっと、四月一日の視線を追って。
首傾げただけで終わった。
「そっか、俺まだ1人で歩いてないから
あんまり長いって気づかなかっただけなのかな?」
「ハイ!よろしくお願いします儺氿さん!」
ぺこ。
「ふくぎょうレスラーさん!!?
めっちゃ強いってことですか!?かっこいいです!!」
ワーと北郷さんにキラキラの目を向けます。
「はい。皆さんも……ですかね」
「売店に行列が出来ていたり、休憩室が満席だったり……まあ、なんだか……気配は多かった、かもしれません」
昼間の人通りと比例するとでも言うのかしら。
お陰で報告すべき事は山積みである。
「……」
ちら、と己の傍の壁を見た。
割れ目のような口。どうも、これも幻覚らしい。
「……まあ、そんなところです、かね?」
目を逸らす。ぶつぶつと沸き立つような視線ばかりが突き立った。相変わらず。
「あー、やっぱ長かったよね?」
「みんなそうだと、異常かどうかわからなくなってくるなあ」
うーん、異常なんだろうけど。
どうせならもっとわかりやすくあってほしいもんだね。
「まあ似たようなもんかも……」
津々浦々バイト探しマンかもしれません。
などと言いつつ。
「……言っとくけど、普通のサラリーマン兼、副業レスラーだからな?
変な職業にゃついてねえぞ」
どうもたまに勘違いされるようですからね。
何か察したのか言葉が出ました。ね。
「お疲れ様〜、と、おやすみ〜」
大きい人たちの中では、座ってる分まだ小さく見えたりするかな。しないかも。隣との身長差があるので……