商業通路(西)
改札外西側。
主にチェーン店やレストラン・カフェなどが多い。
営業時間外の為、殆どのお店は閉まっている。
「……確か、他の奴らも……」
昨日、彼女が言っていた言葉を思い出す。
きっと、自分にも他の人達と同じ症状が起きているのだ。
でも。
自分がバイト仲間だと思っていた人達は実は人間ではなく怪物だったのか?
それともここでの異常にみんな取り込まれてああなってしまったのか?
あの日、撮れた写真は本物だったのではないか?
そんな考えが頭をぐるぐると過ぎってしまう。
「落ち着け、落ち着け……!」
水を飲みつつ。
懐からデジカメを取り出し、撮影したデータを見る。
モニターに映し出されたのは。
どれだけ画像データをスライドしても、そこに映っているのは。
ピースをしている少年やマスク姿の男性でも、
カッコ良いポーズを決めてくれた男性でも、
セクシーなポーズで写真に収まってくれた女性でも、
自分が一緒に撮影してやろうと躍起になった兄弟でも。
そして最初に撮った愛しの彼女さえも――
大きな口や大量の目玉を持った異形の姿に変わり果てていた。
「嘘だろ…………」
【道具使用】
冬馬ノボル は 飲み物 を使った。
のみものを飲んだ
「ハァ、ハァ……ッ」
息も絶え絶えに、壁にもたれかかる。
己にとって安寧の場所だった宿舎が。
ここでなら絶対に何も起きないと思っていた場所が。
たったの数時間で、地獄絵図のようになっていた。
そのショックが、大きかった。
「……おいし」
異常な日々の中で安心する味だった。
モソモソと緩慢な動作で食べ進める。
はじめから耳元で話す声なんてなかったんだ。
暫くして懐中電灯を握りながら立ち上がる。
足元を照らし、業務へと戻ろう。
【道具使用】
ニカ は お菓子 を使った。
おいしいお菓子だ
>>10886 >>10887
異常つづきの現場による易刺激性。他者とのかかわりに消極的な性格。
寄り添おうとするあなたを否定する存在はいない。
あなたの様子に、居た堪れなさが募る。しかしかける言葉なかった。
「……え、なん」「え」「……すみません」
戸惑いながら手元と首元を見る。
ボソリと謝罪を口にして、受け取った物をズボンのポケットへと入れる。
「うん……あ、あなたも、休んで……」
見ず知らずの人を気にかけるやさしさを自身にも向けたらと思う。
やさしさって有限で消耗するものだから。そこまで言えるような力はないから、離れていく足音を聞いて過ごすのだ。
>>10873
「そう、ですか……」
しゅん……と明確に肩落ち。
「あの、えっと、あぶ、危ないので、えっと……あ!」
懐から、甘い袋菓子を出して渡した懐中電灯の上に起く。
「えと、これ食べて、ちゃんと、休んでください、ね?」
それからすこしあなたを伺ってから去っていくでしょう。
>>10847
「ェ、……あ、」
「大丈、夫、ではある、ので……」
言葉を詰まらせながら身じろいだ。徐々に語尾が小さくなる。
厚意への返しは、微かに離れる素振りと僅かに俯く顔だった。
「こま、困るのは……困り、ます……」
「休んだら……自分で、戻れます、ので」
たどたどしい丁寧な口調で自らの意志を告げた。
>>10835
「……」
気は長いのか、少し待ってから
「……大丈夫ですか?
こんなところですから、疲れてしまいますよね」
「せめて、宿舎の方まで一緒に行きますか?」
手に拾った懐中電灯を両手で渡して、視線をそちらが合わせようと思えば合わせられる所までしゃがむ。
「流石に、放置は、困っちゃいます。えへへ」
>>10777
ビクリと肩が震える。独り言は止み、代わりに、緊張感のある息遣いがあった。
差し出されて尚変わらない態度。
あなたの気が長いなら、数分して言葉は返る。
「放って……れ……」「──ヤ、」
被りを振り、頭を上げ。
「……すみ、ません。……ぁ、と……はい」
視線は合わない。しかし受け取ろうとする手はあった。
>>10723
「……あれ?
あ、あの、だい、大丈夫ですか?体調、崩されたり……?」
先程来たのだろう。少女一人、座り込むあなたに話しかけている。
「あ、か、懐中電灯!おと、しましたよ……?」
そう言って拾ってあなたに渡そうとするでしょう。
誰にも表情が見られないように、額に手を当てる。
深呼吸。吸って、吐いて。吸って……。
「違う……違う……。」
笑う。呑まれちゃダメだ。
「アイツらは……あんな……狂った……。」
笑おう。気にしちゃいけない。
「いいや。今はそんなこと考えてる場合じゃない。」
まず巡回を済ませよう。
何かが見ている。
「っあー……。」
何かがいる。
「くそ……これじゃ……。」
誰だろう。
「アイツらが正しいってことになるじゃねぇかよ……。」
「あれ、こんな道ありましたっけ」
「もしかして、また迷ってしまいましたかねぇ」
巡廻ルートを一巡したが、戻ってきた地点の景色が違うような気がして。
「まぁいいか」と呑気にぼやきながら、てくてく歩いていく。
「人気があると安心感あるなぁ。お疲れ様でーす」
すれ違ったかもしれない人に挨拶を投げかける。
人の声がする。犬の鳴き声がする。いや、あれは人の鳴き真似か。
何の音もないよりは、安心して巡回できるというものだ。
「……」
「や、何かおかしいな。休憩いくか」
「なんか見えるだけじゃなくて、聞こえるようにもなってきたっすな……」
「アレっすね、見えるのはまあ、見なきゃいいんすけど、聞こえるのはこう、聞く気がなくても聞こえてくるのが……」
「換気の風なのか誰か泣いてるのか区別がつかないっすな……」
「いやもうアレか、風が泣いてるって考えればいいんすかね……」
「海や山が泣くなら風だって泣くか……そういうこともあるっすかね……」
「あるかなあ……」
巡回業務とはまた別で、ウロウロしてたらこんな所に。
「うーん、やっぱり改札の方よりこっちのが怖い気がする……」
正常さの減り具合的な意味で。