中央入口前広場
中央入口前の広いスペース。
入口は施錠済み。
「あたしは殴ろうとした人を殴るだけですが……」
笑顔のままこぶしを収めようね……
「連絡先?いいよ~」
電話番号、あるいはメッセージアプリのコードでも、メモに取って渡すかも。
「どうも、います。元気です」
ぶい
「あ、言いません言いません!殴られたくはないんで!」
首をぶんぶん振る。
「あ、そうだ……その代わりにお願いがあるんですけど……」
「皆さんの連絡先、聞いても良いですか?」
「見合わないのは、そうかもしれませんね」
溜め息。すっかり暗闇がトラウマだ。
この先一人暮らし、できるかな……。
「……はい。皆さんも、お元気で」
「お疲れさん……」
お出迎え…………
「殴り返せる気力すら残さずぼっこぼこにしてやろうか」
なんで今日この人こんな血気盛んなんですか???
「しないけど…………………………」
「えっ殴る?」
突然の暴力に襲われる可能性────
「殴ったら泣きながら殴り返すからな、そりゃもうありえないくらいみっともない姿で……!!」
「ううん……」
スーツケースを引っ張りながら、手元に残った給与を確認している。
……えらく差っ引かれた。それでもまあ、ざっと63万円は残ったか。
「……お疲れ様です」
労力に見合ったかと言われれば、否かな。