コンコース(西)
改札内広場の西側。
有名コーヒーショップや小さめの本屋、土産屋などがある。
営業時間外の為、殆どのお店は閉まっている。
ホームへの登り階段・エスカレーターもある
「おはよう。悪かったね」
大丈夫?とデケェ男は少し視線を下げた。
「あー…なんか明らかに人じゃなさそうな奴とか、視線とか…目玉みたいな奴も居て…めちゃくちゃ怖かったら走って逃げてきたって感じ」
そして叫びながら走ってきたのだ。
「ァ」「スー……」
深呼吸。
「スミマセン」
気にさせてしまった。ボソボソ声。
新しい人は誰だろうか。見えぬ存在なら触れずに。
「ちょうど、その話をしていましたね」
何を見つけたの話。その最中で騒動だった。
「落ち着いたならもう大丈夫だね……あ、そうそう。今日は泥まみれの髪の毛を見つけたんだけどさ、みんなはどんなモノ、見つけたかな?」
また後で見に行かなきゃ〜なんて言いながら。
「人間でパソコンみたいなことになってるやつばっかりっすねここ」
「生まれなくて何よりっす。生まれてたら大変でしたから」
「あっちは再起動できそうですかね」
フリーズ人間を眺めた。
「ぅぃー……」
強制終了音みたいな小さな声を出した後、落ち着いたのか静かになった。
「オサワガセシマシタ」
カタコトだが会話は通じるだろう。
「変な場所に椅子?車椅子なら見たっすけど」
「子供の声は聞いてねっすね。バリエーション豊かなことで…」
「半泣きですけどなんか壊れたロボットみたいなことになってるっすね??」
特例報告案件か…?
疑いながら深呼吸を勧めている。
「ウワッ、人だ!!」
よく見るとデケェ男は半泣きであった。
「お化け!!幽霊!!化け物!!呪い!!悪霊!!死霊!!祟り!!ゴースト!!心霊現象!!」
とりあえず何かしらに出会したらしいが、パニックになっているのか知っているオカルトっぽい単語を口走るだけの機械みたいになってしまった。
共感を得られて頷く。そう思っていたのは自分だけではない安心感があった。
「……出る……」「……」
短くはない沈黙は言葉を選ぶ間だった。
「不自然な場所に椅子があったり、子供の声が聞こえたり、しまし」
異常発生!デケェ男がデケェ声を出して走っている!
ビクゥッ!!と肩が跳ねた。
「お疲れ様っす」
視線の向きを気にした様子はない。
「正直よくわからないは違いないですね」
不適切な質問をした。
「ここ、めちゃくちゃ“出る”みたいっすけど」
怪奇現象とか。正常と異常が交差する要因。
「そういうのには遭遇してねっすか?」
控えめな動きでこちらも懐中電灯を振った。灯りがあちこちへと向く。
「お疲れ、さまです」
近くまで来たなら挨拶を送ろう。視線はやや下へ向いたまま。
「や」「ぁ〜……」「正直、よく分からない、感じで……」
正常と異常の境界が曖昧な現場仕事。返答も曖昧になる。
「あ、人いた」
カメラに満足して懐中電灯を振り回す。
途中であなたも照らしたことだろう。どうもっす。
人がいるなら近くに駆け寄る。
「どうすか、巡回の調子は」
懐中電灯を手にひっそりと歩いていた。暗闇に足音が吸い込まれていると錯覚する。
「……ッ────!!」「……」「い、いな」
不意に身体ごと余所へと向けた。灯りが店を照らす。
ボソリと呟いた声には緊張や恐怖心が綯い交ぜに。
立ち入り禁止の場所に子供の声が聴こえたんだ!居るわけがない!
【道具使用】
縁場 愛歌 は お菓子 を使った。
おいしいお菓子だ
「ちょっとーやめてくださいよー
お気に入りの靴なんですよ〜重いです〜あげません〜」
ズルズル…カシャカシャ。
怖くない、これはお仕事だもの。
頑張ればお金がもらえるし、お母さんもお金があったら喜ぶ。