商業通路(西)
改札外西側。
主にチェーン店やレストラン・カフェなどが多い。
営業時間外の為、殆どのお店は閉まっている。
「いや驚きすぎ。幽霊起きちゃうっすよ?」
笑っている。
「律儀だなぁ。そのまんま"田辺"で問題無いっすよ。」
君付けじゃなくてもいいらしい。
「ぇえっ?!」
さんづけじゃなくて良いという言葉にやや取り乱し
「あぇ、えーと、えーと……じゃ、あ……た、た……田辺、くん?」
「人によっては幽霊より怖かったり。」
余裕ができたのか冗談を言っている。
「さん付けなくてもいいっすよ……学校じゃあるまいし。」
フランクに交流したいらしい。
「そういう人は多分僕らの年齢聞いたらびっくりなんでしょうけど……」
「田辺さん、ですね。わかりました……」
明るい声に心做しか安心する。
「聞いた感じ20歳辺りが多いっすからね〜。」
心霊じみたきな臭いアルバイトに、気さくに話せる相手がいるのは運が良いのかもしれない。
「いやいや、それくらい誰も気にしないすよ。ケイね。オレは田辺淳。田辺って呼んで。」
乾いた明るい声が通路に響き渡る。
「まあ、そうですよね。僕も居るとは思いませんでした」
意外といるらしい、同年代。
「年上の人も居ますけど、先輩って感じの歳なのはあなたくらいですね……」
ぱっと話を聞いた限りはでしか無いけれど。
「そういえばお名前……あ、僕は…越御絵ケイです……。すみません、名乗りもせずに名前聞こうとして……」
「16!オレより年下じゃないすか!」
年下がいて嬉しそう。笑顔と不安が混じった表情をしている。
「まさかオレより年下の人がいるなんて思ってもなかった。」
何故ここにと言いかけたのは内緒である。
「あ、僕は……16です。こんな所で何してるんだって言われたらあれだから、大っぴらには言えませんけど……」
「あなたも、そうなんですね……」
こちらも、同情。まあそうだ、お互いにあるのだと思う。此処に至るまでの色々が
「色々……はは。俺もそうすよ。」
同情。でもきっと貴方よりもその色々の数は少ないだろう。
きっと訳あってここへ来たのだろう。頭を掻く。
「……見た感じ、多分オレと年近いすよね。オレ17なんです。」
「ぼーっとしてたオレも大概なんで。」
気にしないでください、と笑いつつ。
「別に話しづらい内容であれば無理に話す必要は無いんで。」
こちらは話すも話さずも、どちらでも問題無いというスタンスのようだ。
「……あー、すんません。なんか。」
おセンチなムード、ちょっと気まずい。
「あの、オレのことは気にしなくてもいいんで。」
少々無理があるか。
「話聞くくらいならできますけど。」
【道具使用】
真白こころ は 懐中電灯 を使った。
懐中電灯は正常に点灯している